mediPhone導入事例インタビュー
ナカシマプロペラ株式会社
ナカシマプロペラ株式会社 総務部 課長 稲垣 晋介様

外国人従業員の受け入れを積極的に進めるナカシマプロペラ株式会社では、医療面のサポート強化が課題となっていました。健康診断時の通訳支援などを目的に、健康・医療の多言語アシスタンスサービス「mediPhone Assistance Line」を導入。現場の負担軽減と従業員の安心感向上を実現し、持続可能な支援体制の構築に取り組んでいます。
ナカシマプロペラ株式会社の会社紹介
稲垣様)ナカシマプロペラ株式会社は、船舶用推進器の総合メーカーです。
船舶用プロペラを主に国内外の工場で製造しており、最大直径12mの超大型タンカー用のプロペラまで、あらゆるプロペラを一品受注生産で手がけています。翼の角度を制御して船の速度や前進・後進を自由に操作できる可変ピッチプロペラや、スラスタ、電気推進システムなど、豊富なバリエーションで快適な航海をサポートします。
事業は日本国内にとどまらず、フィリピンとベトナムにプロペラ製造工場を、シンガポール、インドネシア、上海に営業拠点を構えています。さらにはドイツの舵の設計会社もグループ会社に持つなど、アジアからヨーロッパまで広範にグローバル展開を進めています。
サービス導入にあたって
✅課題
健康診断における問診票の記入や通訳をはじめ、外国人従業員の医療支援を社内で整えるには限界があったこと
💡解決策
多言語に対応した医療通訳サービスや医療翻訳を利用することで、対応する社員の負担を減らしつつ、外国人従業員に安心して働いてもらうこと
🔮サービスに期待すること
対応職員の負担軽減と、将来有望な外国人従業員が健康で安心して働く環境づくりの整備
グローバル企業としての人材戦略と外国人従業員の活用状況について教えてください
稲垣様)当初は技能実習制度を通じて外国人従業員を受け入れていましたが、2025年現在は「企業内転勤」制度へと移行し、海外拠点から有望な人材を選抜しています。
これには、日本で培った技術や高い安全意識を本国に持ち帰り、現地の工場運営や人材育成に活かしてもらうという目的があります。そのため、日本に来る外国人材は将来の本国やグループを牽引する重要な存在と位置づけています。
2025年度は、十数名の外国人従業員が日本国内で勤務しています。
外国人従業員の受け入れに関する課題について教えていただけますか

稲垣様)外国人従業員本人が来日して日本での生活に慣れるまでの間、言語ができるスタッフが中心となってサポートしていますが、常に対応ができるわけではありません。課題は多岐にわたりますが、特に生活面と健康面でサポートが必要だと感じています。
例えば生活面では、銀行口座の開設が大変でした。給料の振り込みに間に合わせるために急いで手続きを進める必要があるのですが、外国籍であるが故にすぐに作れるものではありません。幸い、当社の場合は、労働金庫の方が会社まで来て口座開設の手続きをしてくれたので助かりました。ただ、外国語には対応していないので、本人に趣旨を説明した上で、本人の手書きで手本を見ながら申込書の住所など必要事項を日本語で書いてもらう必要がありました。
役所の手続きも難しいところがありました。住民票の登録にしても、市役所で外国語対応をしているのは本庁舎だけですし、それも時間や曜日が限られており、英語以外の言語となるとさらに難しくなります。当社のある岡山県をはじめ、地方では特にそういった課題が大きいと感じています。
健康面では、まず、国による健康診断の基準の違いに戸惑うことが多いです。来日前に母国で健康診断を受けてきてもらうのですが、日本の基準と合わないことが多く、入社時の健康診断で血圧や血糖値が高く再検査になるケースが非常に多いです。事前に送ってもらう健康診断の結果は現地語で書かれているため、日本の基準で正常数値なのかが判断できません。
また、通院の付き添いを業務時間外に対応することもあり、外国語が話せる特定の社員に負担が集中してしまうことも課題です。社内健康診断の日本語で書かれた問診票の記入についてもどのように対応していけば良いか、当社内でも解決策を議論していたところです。
mediPhone Assistance Line サービス導入の目的と成果

稲垣様)導入の一番の目的は、外国人従業員への医療サポートの強化です。
2025年5月、計8名の外国人従業員が健康診断を受ける際に初めて利用しました。フィリピンからの出向者だったので、メディフォンにタガログ語での医療通訳をお願いして健康診断に臨みました。
結果として、通訳の方がとても臨機応変に対応してくださったのが印象的でした。「優良」な評価だと感じています。
特に、問診票の記入サポートで通訳を活用できたと思います。私が日本語で問診票の項目を読み上げ、それをメディフォンの方が通訳してくれました。周りにいた複数の外国人従業員が、質問を理解しながらリアルタイムでチェックできたので、「すごく使いやすい」と感じました。今後の健康診断や医療機関受診時にも活用していきたいと感じています。
また、外国人従業員たちからは、「母国語で対応してもらえたのがとても安心できた」という声を聞けたのは、大きな成果でした。
今回の健康診断では急遽、問診票の翻訳をお願いしたのですが、そういった医療に関する相談に臨機応変に対応をしてもらえたのは良かったです。
今後期待することとしては、サービス利用案内用のチラシを多言語化してもらえると有難いです。現在、準備していただいたチラシは日本語と英語のみなので、例えばベトナム語を話す従業員に対してなど、多言語対応のチラシがあればよりスムーズにサービス案内ができると思います。
メディフォンはどのような企業に活用していただけると考えますか

稲垣様)私たちの会社のような、日本国内に複数の拠点があり、各拠点で外国人従業員を受け入れている企業が最も困っているのではないかと思います。特に、本社の担当者が各拠点に赴いて外国人の対応をしなければならないケースなどです。1人や2人であればなんとかなるかもしれませんが、数十名規模になってくると、対応が非常に難しくなります。
また、英語や中国語であれば社内に話せる人材がいる企業も多いかもしれませんが、当社のようにベトナム語やタガログ語といった多言語対応が必要な企業にとっては、非常に心強いサービスではないかと思います。