mediPhone導入事例インタビュー
社会医療法人 雪の聖母会 聖マリア病院様
総務企画部 対外協力室
ジェンキンズ ガレス様、緒方 美樹様
医療安全の観点から、医療専門の通訳サービスに切り替え。院内の外国人患者受入れを精力的にサポートされている対外協力室のジェンキンズ様、緒方様にお話を伺いました。
(2024年3月29日インタビュー実施)
在住患者が97% 国籍はフィリピン、ベトナム、ネパールなど
Q. 貴院の概要と外国人患者さんの来院状況について教えてください。
ジェンキンズ様:
当院は、病床数1,097床を有する地域医療支援病院です。外国人患者さんの来院人数は、1カ月あたり160名程度となっています。国籍では、多い順にフィリピン、ベトナム、ネパール、中国で、4か国で外国人患者全体の7~8割を占めています。
患者さんの属性としては、在住の方が97%を占めています。そのこともあり、患者さんあるいは付き添いの方が日本語を話せ、通訳を必要としないケースが約7割という状況です。通訳が必要な場合、使われる言語はベトナム語、英語、ネパール語、タガログ語の順に多くなっています。
外国人患者さんに対応するための体制としては、英語通訳者2名に加え、英語以外の対応が必要な場合はメディフォンなどの通訳サービスを利用しています。
スタッフのためにも、医療専門の通訳を導入
対外協力室のジェンキンズ様
Q.メディフォンを導入された背景を教えてください。
ジェンキンズ様:
以前は院内通訳者2名と、福岡県が提供している医療通訳サービスに加え、他の会社の通訳サービスを使っていました。
当時利用していた他の会社の通訳サービスは医療に特化したものではなく、案件によっては難易度が高いことを理由に断られるケースもありました。そこで、院内の外国人患者受入推進委員会で話し合い、医療に特化した通訳サービスが必要だという結論になりました。
頻繁に利用するネパール語やタガログ語に対応したサービスが必要だったこともあり、メディフォンを検討し、契約することになりました。
アプリの活用でどの病棟でもスムーズに利用
院内の張り紙。英語が併記されている。
Q.メディフォン導入後、外国人患者さんの受入れに変化はありましたか。
ジェンキンズ様:
1つ大きかったのは、アプリを利用することで受入れ業務がスムーズになったことです。
コロナ禍をきっかけに各病棟に面会用のタブレットを配置していたので、その端末にメディフォンのアプリをインストールすることで、外国人患者さんとのコミュニケーションに利用できる機器がどの病棟にもある状態になりました。
以前は固定電話を利用したり、通訳専用のスマホを病棟に貸し出したりして対応していたので、貸し出しや管理という点でも業務がかなり楽になったと思います。
マニュアルや新入職員への研修で、職員皆に利用を周知
メディフォンの利用マニュアル。各病棟に配布している。
Q.医療通訳だけではなく機械翻訳も活用されているかと思います。どのように使い分けをされていますか。
ジェンキンズ様・緒方様:
簡単な事務手続きなどは機械翻訳、医療的な内容は医療通訳という形で使い分けてもらうようにしており、使い分け方をわかりやすくまとめたマニュアルを各病棟のタブレットと一緒に置いて周知をしています。ただ、院内には2,000人を超えるスタッフがいるため、使い分けができていない人もいると思います。
ですが、言語に困った時に使える端末があって、必要があれば使用できるという認識は皆さんにあると思います。周知のために、各病棟の看護師長さんに説明して回ったり、毎年行っている新入職員への研修では、外国人患者受入れ体制や通訳ツールの使い方に関する講義をしたりしています。
そのため、病棟の看護師さんだけでなく、薬剤師さんや事務の方など、色々な職種の方が様々な場面でメディフォンを使っています。
夜間・海外からの問い合わせにスムーズに対応
Q.対応の難易度が高いシーンでご利用いただいた事例があれば、教えてください。
ジェンキンズ様・緒方様:
夜間に海外から電話があり、対応したケースがありました。
アメリカから夜中に当院に問い合わせがあり、旦那様が当院に入院されているかもしれないという奥様からのお電話でした。細かい情報が聞き取れず折り返しをする必要があった時にメディフォンに相談したところ、その場で折り返しの電話をしてもらい、奥様とコミュニケーションを取ることができました。
夜間、そして海外との通話という状況だったこともあり、その場でスムーズに対応してもらったので非常に助かりました。
いざというときに安心して利用できるサービスを
多くの外国人患者の受入れをサポート
Q.これから体制整備を進められる医療機関の方に向けて、アドバイスがあればお聞かせください。
ジェンキンズ様・緒方様:
言語のサポートが必要な患者さんは間違いなく増えていると思いますが、特に小さい医療機関の場合、来院は1ヶ月に数人程度ではないでしょうか。その段階では、通訳サービスに投資をするのはなかなか難しいと思います。
まずは自治体などが提供している無料の医療通訳サービスがあるので、そういったものを活用するのが良いかと思います。
お試しで使ってみて、必要があればメディフォンのようなサービスを導入することを検討してみると良いかもしれません。患者さんだけではなく、職員にとっても便利なサービスです。
当院は外国人患者数がそこまで多いわけではなく、患者さん本人や付き添いの方が日本語を話せる場合が多いため、1人のスタッフが患者対応で言語に困ることは年1回あるかないかという程度です。
だからこそ、いざ必要になった時に安心して利用できるサービスがあると良いと思います。