mediPhone導入事例インタビュー

医療法人徳洲会 羽生総合病院様

事務部 事務部長 大川啓二様
国際医療支援室 藤間弘晃様

外国人患者対応のマニュアルの整備・通訳体制及び院内環境の整備・同意書などの文書の多言語化を推進。2023年9月に「外国人患者受入れ医療機関認証制度(JMIP)」の認証を取得。体制整備を推進されてきた大川様(左)、藤間様(右)にお話を伺いました。
(2023年12月12日インタビュー実施)

在住の東南アジアの方を中心に多数の外国人患者さんを受入れ

医療法人徳洲会 羽生総合病院様

年間・国籍別:外国人患者さんの来院数

Q. 医療法人徳洲会 羽生総合病院様の外国人患者受入れ状況について教えてください。

大川様:当院は、総合医療機関として羽生市やその近隣地域に根ざした医療を提供する中核病院です。羽生市や近くの館林市に工業団地があり、そこに住んでいる外国人の方が多く来院します。観光客の方はほとんどおらず、来院されるのは基本的に在住外国人です。産科や内科、健診での受け入れが多く、また国籍としてはネパールやベトナムの方が多く、最近では月間で延べ数百人の外国人患者さんを受入れています。

地域の拠点病院としてJMIP取得を目指すことに

Q. JMIPの受審を目指すようになった経緯について教えてください

大川様:「いつ・どこでも平等に医療が受けられるように」という法人の理念に基づき、外国人の方も安心して医療を受けてもらえる仕組みを作りたいというのが大前提としてあります。
東京オリンピックの2年程前に、国交省や県から、この地域で外国人を受け入れる病院がないために体制整備してくれないかという話が出てきました。それを機に、最初のステップとして、同じ徳洲会の他病院も取得しているJMIP*¹を受審することになりました。

*¹【補足】JMIP(外国人患者受入れ医療機関認証制度)とは
外国人患者さんが安心・安全に日本の医療サービスを受けられるため、多言語、異文化・宗教に配慮した体制を整えている医療機関を認証する制度です。

別人の保険証の使用が後から発覚し、体制整備の重要性を改めて実感

医療法人徳洲会 羽生総合病院様

左:大川様、右:藤間様

Q. JMIP受審前の外国人患者さんの受入れ体制について教えてください

藤間様:JMIPの取得を目指す前は、体制整備は全くしていないに近い状況でした。通訳手段や対応手順を示すフローチャートやマニュアルもなく、基本的に身振り手振りで職員が頑張って対応していたんです。
また、対応手順が決まっていないことで、外国人患者さんが他人の保険証を使用したがすぐには気づけなかったという問題が起こることもありました。後になってその保険証の本人が受診してきた際に、あるはずの腫瘍がなくなっており、発覚したのです。写真付きの身分証明証である在留カードを用いた本人確認をしていないことが原因でした。

様々な取り組みを通じて体制を整備

医療法人徳洲会 羽生総合病院様

現在(2023年12月)利用されている、健康管理センター入口のデジタルサイネージ

Q. JMIP取得にあたっておこなった体制整備の取り組みについて教えてください

藤間様:まずは現状把握のために、来院する外国人患者さんの国籍や、どの診療科を受診しているのかを計測することから始めました。すると、ほとんど英語というよりも東南アジアの方が多く、産婦人科を受診する方が多いことがわかりました。

大川様:そして2021年に、産科などの外国人が良く来る診療科の職員を加えて、国際医療支援室を立ち上げました。JMIP受審のための取り組みを本格的に進めるべく、外国人患者受入れ体制整備の支援をメディフォンに依頼することになりました。

メディフォンのことを最初に知ったのは2018年くらいにセミナーに参加したときでした。同じ徳洲会の他の病院からメディフォンの話を聞くことも多く、外国人医療の中で知名度があると思います。JMIPを取得しているところの多くがメディフォンを利用しているということもあり、メディフォンにJMIPの取得の支援を頼むことにしました。
メディフォンには、対応手順を示したフローチャートやデジタルサイネージ、機械翻訳と医療通訳が利用できる端末を提供してもらいました。他にも、入院患者さんとのコミュニケーションで使えるツールも作成しました。東南アジアの患者さんが多いことから英語で通じないことも少なくないため、ツールには絵や図を用いたところ、現場で好評をいただいています。
また、外国人患者対応で困ったときの保険として医療通訳を利用できるので、安心できます。

現場目線の助言・支援を評価

医療法人徳洲会 羽生総合病院様

現場で利用されている外国人患者対応マニュアル

Q. JMIP受審に向けた体制整備やメディフォンのご支援に対するご感想をいただければと思います

大川様:院内の体制整備を一括して進めるという点では、JMIPの受審は良いきっかけとなりましたし、病院としても一歩ステップアップできたと思います。メディフォンに関しては、JMIP取得のための形式的なサポートだけではなく、実際にどのようなマニュアルが現場で使いやすいのかというようなことを丁寧に教えてくださったのが良かったです。

藤間様:JMIPの取得は本当に0からの状態でのスタートでしたので、何から手をつけていいかわかっていませんでした。他の病院様やメディフォンのお力を借りて、何とかやりきれたなと思います。

将来的にはメディカルツーリズムを実施して地域の活性化を目指す

医療法人徳洲会 羽生総合病院様

医療法人徳洲会 羽生総合病院の外観

Q. 今後の展望について教えてください

大川様:日本の働き手が少ない中で、コロナ禍が明けたこともあり、これから外国からの研修生や労働者の方を積極的に受け入れていくと思います。一般企業さんだけではなく、医療系や介護の分野でも受け入れが必要でしょう。外国人の方が増えることを踏まえると、外国人の方が安心して頼っていただけるような拠点病院になることが必須だと思います。

また、将来的に当院の体制整備ができた段階では、旅行会社さんなどと連携し、当院の医療機器を利用したメディカルツーリズムを展開し、地域の活性化に貢献できればと思います。