mediPhone導入事例インタビュー

広島大学病院様

国際医療支援部 和田良香様

機械翻訳と遠隔医療通訳を1つのタブレットで対応することで、利便性の向上に加え、コストの削減を実現。
また、研修会を開催することで院内周知を進め、幅広い診療科で活用。
広島大学病院の国際医療支援部の和田良香様にお話を伺いました。
(右:病院概観と国際医療支援部のスタッフ)
(2023年7月25日インタビュー実施)

Q. 広島大学病院様の概要と国際医療支援部の業務内容について教えてください。

広島大学病院は、県内唯一の大学病院で、高度な医療を提供する地域の中核的な医療機関としての機能を担っています。病床数は742床、医師は常勤・非常勤合わせて834名、医師以外の職員を含めると約3,000名が働いています。昨年度の病床稼働率は85.9%、年間外来患者数約53万、手術件数は8,000件を超えています。

2019年に前身の国際医療支援室ができ、2020年に国際医療支援部が開設されました。国際医療支援部の役割は、外国人が安心、安全に当院での医療サービスを受けることができるよう、また、医療現場のスタッフの負担軽減が図られるよう、当院における外国人患者受け入れ体制を整備、充実させることです。病院全体で取組を進める中で、2021年にJIHに推奨され、2022年にJMIPの認証を取得しました。

現在、国際医療支援部は8名のメンバーがいます。部長1名(病院長補佐教授(兼務))、副部長3名(診療科医師2名(兼務)・看護師1名(専従))、国際コーディネーター1名(専従)、事務職3名(兼務)で、さらなる体制整備と課題解決に向け取り組んでいます。

Q. 広島大学病院様がmediPhone(メディフォン)を導入するにいたった経緯について教えてください。

広島大学病院様

メディフォンを利用している様子(和田様)

元々、ある程度の数の外国人患者さんが各診療科に来院していました。国籍はアメリカ、中国、フィリピン、ブラジルなどが多く、在留外国人がほとんどです。診療科としては、疾患そのものが多い消化器内科に加え、眼科や整形外科、産婦人科、歯科の数も多いです。コロナが流行していた時は、感染症科も多かったですが、今は落ち着いています。

院内に通訳スタッフの配置はなく、通訳が必要な外国人患者さんには別の遠隔医療通訳サービスを使っていました。また、ひろしま国際センターの医療通訳ボランティア派遣事業を活用しています。しかし、機械1つで通訳が必要な外国人患者さんの対応ができるならコスト的にも、また、現場の業務の効率性を考えても一番良いということになり、機械翻訳と電話医療通訳の両方がしっかりしているメディフォンを入れました。

通訳者の派遣だといろんな制約がありますが、メディフォンだと24時間対応できて、使用するハードルもすごく低いです。

Q. 広島大学病院様のmediPhone(メディフォン)の利用状況について教えてください。

広島大学病院様

メディフォンタブレットの保管の様子

外国人患者さんの約半分くらいが通訳を必要としています。対応方法としては、基本的に通訳者の派遣かメディフォンの2つですが、圧倒的にメディフォンの使用が多いんですよね。例えば、今年に入って通訳が必要だった方は163人いますが、通訳者の派遣を頼んだのは10人程度で、そのほかはメディフォンです。

利用方法としては、事前に通訳が必要な患者さんの受診や入院があるとわかるときは予約をしてもらうようにしています。実際に使う際は、多くの場合クラークがタブレットを国際支援部に取りに来ます。
10台のタブレットのうち、1台は救急外来に貸し出し、1台は医事の窓口に貸し出しており、残りの8台が国際支援部にあるという形です。医師や看護師のほかに、様々な手続きなどについて説明を行うクラークも多く利用しています。また、外国人患者さんが入院する場合、必要であれば入院期間中は機器を病棟に貸し出しています。

Q. 医療通訳はなかなか現場に浸透しないと悩んでいらっしゃる医療機関も少なくない中で、貴院では多くの現場のスタッフにメディフォンをお使いいただけていると思います。現場にメディフォンが浸透したきっかけについて教えてください。

広島大学病院様

メディフォンについての院内マニュアル

各診療科や部門に外国人患者窓口担当者を1名決めてもらい、担当者を通じて情報発信していますが、メディフォンに関する認識が一番広がったと思うのは、院内研修の実施です。院内研修は年に1,2回、メディフォンさんにご協力してもらって開催しています。院内研修をすることで、現場のスタッフに直接メディフォンの使い方とその便利さを分かってもらえます。また去年の研修には医師も来られていたので、それも大きかったと思います。

ぜひ、今年度もメディフォンの周知を目的とした研修をメディフォンさんと開催出来たらと思います。

Q. mediPhone(メディフォン)をご利用いただいた感想を教えてください。

医師は英語を話せる方が多いですが、クラークはそうではないので、次の診療日の予約の案内や検査の指示等を伝えるのに非常に便利だと言っていましたね。メディフォンを入れる前は、指さしシートなどを使っていましたが、やはりコミュニケーション内容が限られてしまいます。

当院では建物の構造上Wi-Fi環境が良くない場所があるようで、繋がりにくいという声もあるんです。逆に言えば、それだけ便利で使いたいからなのかなと思います。この間も、医師が「Wi-Fiのつながりやすい場所を見つけました」と言って直接メディフォンを借りに来られました。メディフォンを使用するためにWi-Fiがつながる場所を探したりするほど、現場では便利なコミュニケーションツールになっているようです。

Q. 医療通訳の導入を検討している他の医療機関様へアドバイスなどありましたら、頂ければと思います。

実際に使ってみてはじめて、遠隔医療通訳の便利さがよく分かります。全体に周知をすることも必要ですが、まずは、どこかの部署で使ってもらって、それを少しずつ広げる、というやり方がいいと思います。直接外国人患者さんの対応をしている現場の人が困っているわけですから、説明するよりも実際に使ってもらうとよりその便利さが分かってもらえるのではないでしょうか。