第6回病院EXPO東京出展レポート(2023年10月)

  • 2023.10.23

    セミナーレポート

メディフォン株式会社(以下、メディフォン)は、10月11日~13日に幕張メッセで開催された病院EXPO東京に出展いたしました。本記事では、当展示会でメディフォンが開催した特別セミナーやブースの様子などを紹介いたします。

メディカルジャパン 第6回病院EXPO東京
開催期間:2023年10月11日(水)~13日(金)
開催時間:10:00~17:00
会場:幕張メッセ
主催:RX Japan株式会社

病院EXPO東京でのブースの様子

メディフォンは会場入り口右手すぐの位置でブースを展開いたしました。

第6回病院EXPO
メディフォンブースの様子
メディフォンブースの様子

入り口すぐ近くということもあってか、医療機関に限らず、薬局や業者など数多くの方にご来場いただきました。

また、当展示会中は、外国人患者さんが医療機関に来ているかどうかについてライブアンケートを実施しました。来ている方は橙色のシールを左半分に、来ていない方は青色のシールを右半分に貼っていただきました。

第6回病院EXPO
メディフォンブース、ライブアンケートの様子
ライブアンケートの様子

その結果、非常に多くの方々が外国人の方が来ていると回答されました。展示会に出展している企業様やご来場者の方の中にも外国籍と思われる方が多く、日本で外国人数が増加していることを実感いたしました。

【開催セミナー①】10月11日 堀成美様「医療ツーリズムの可能性|日本における受入れの実際と今後の市場展望」

展示会初日の10月11日には、外国人医療について国立感染症研究所 感染症疫学センター 協力研究員で、外国人医療にも専門的な知見をお持ちである堀成美様から、日本における医療ツーリズムの現状や展望についてお話しいただきました。初日にも関わらず、多くの方にご聴講いただきました。

第6回病院EXPO
堀成美様によるセミナーの様子
セミナーの様子

【本セミナーの要旨】
1. 医療ツーリズム市場の現状
2. 海外の医療ツーリズムの事情(マレーシア、トルコ)
3. 日本の医療ツーリズムの展開~受入れの実際~
4. 日本の国際医療展開
5. 実際に起きている問題
6. 成功している医療機関の特徴

まずは、コロナ禍全中後の医療ツーリズムの状況や海外の医療ツーリズムの取り組みを紹介いただきました。
例えばトルコは国が医療ツーリズムの発展に多くの資金を投入しており、医療ツーリズムの広報費用の60%を4年間補助する制度や、医療通訳を雇用する際は2人分の給与の50%を4年間補助する制度などがあるそうです。しかし、日本では国が医療ツーリズムに取り組む医療機関に補助金を出すといったことはされておらず、海外との競争の点では遅れを取っているとの解説がありました。

続いて、医療ツーリズムの受入れは、仲介業者など関係者が多いことに加えて、多くの手続きが必要であるということや、そのために起きやすいトラブルについてご紹介いただきました。

最後に、日本で医療ツーリズムに成功している医療機関の特徴についてお話いただきました。成功している医療機関は、得意な医療サービスに限定し、クリニカルパスを確立させているそうです。さらに治療・ケア・事務対応をパッケージ化し、現場の負担をできるだけ軽減することが重要だとお話いただきました。また、医療ツーリズムに関わる場合は、危機管理に詳しい専門家と一緒におこなうことが賢明であるとのことでした。

【開催セミナー②】10/12 大橋恵様「湘南鎌倉総合病院における医療ツーリズムの変遷と今後」

展示会2日目の10月12日には、医療法人徳洲会 湘南鎌倉総合病院の国際部で国際医療戦略室にいらっしゃる大橋恵様をお招きし、湘南鎌倉総合病院における医療ツーリズムの取り組みについてお話いただきました。

第6回病院EXPO
医療法人徳洲会湘南鎌倉総合病院 国際医療戦略室 大橋恵様によるセミナー画像
セミナーの様子

【本セミナーの要旨】
1. 湘南鎌倉総合病院について
2. 湘南鎌倉総合病院におけるメディカルツーリズム(以降MT)のこれまで
3. MT受入れでの諸問題と今後の対策(ドック編、治療編、組織)

まず、湘南鎌倉総合病院の概要についてお話いただいた後、MTをおこなう際に直面した課題、それに応じてどのような対策をおこなったかをご共有いただきました。

特に、MTの仲介業者の質の問題について、仲介業者は国内に大小合わせて500以上存在し、中には個人でおこなっている業者もあるなど、質のばらつきが大きいとお話いただきました。例えば病院側は「検査してから治療が可能か判断する」と言っていたにも関わらず、患者側は「渡航すれば治療してもらえる」と思っているなど、認識の齟齬が生じるケースが少なくなかったそうです。

他にも、仲介業者が手配した通訳の質が低いことや、治療後の母国でのフォローアップが手薄であるなどの問題もあったとのことでした。
最後に、湘南鎌倉総合病院が、今後、仲介業者の質の担保も含めてどのような取り組みをおこなうかについて、具体的にご共有いただきました。

湘南鎌倉総合病院が直面したそのほかの問題や、問題に対しておこなった対策などについては、講義資料からご確認いただけます。講義資料を期間限定で公開しておりますので、ご利用ください。



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遠隔医療通訳デモンストレーション

3日間にわたって、メディフォンはブース内で遠隔医療通訳のデモンストレーションを実施しました。実際に医療機関で直面しうるような場面を想定したロールプレイ方式で、英語、中国語、ベトナム語、インドネシア語の4言語でおこないました。

第6回病院EXPO東京
医療通訳デモンストレーションの様子
中国語デモンストレーションの様子

「遠隔医療通訳」という字面のみではイメージがつかない方もいらっしゃいますので、デモンストレーションという形で実演したことで、多くの方に「遠隔医療通訳」のイメージをつかんで頂けたのではないかと思います。

病院EXPO東京出展を振り返って

メディフォンとしては初めての取り組みでしたが、展示会に出展することによって、遠隔医療通訳・メディフォンをより多くの方に知っていただけたのではないかと思います。

弊社が前身の一般社団法人ジェイ・アイ・ジー・エイチ時代を含め、遠隔医療通訳事業を開始してから10年近く経ちます。我々の努力不足でもありますが、まだ「遠隔医療通訳」やそもそも「医療通訳」の存在をご存じではない方も多くいらっしゃいます。

しかし、外国人患者さんの受入れで困った際、「遠隔医療通訳」の存在を知っているかいないかでは大きな違いが生まれます。日本にいる外国人の方がますます増えていく中、多くの医療関係者様に遠隔医療通訳の存在を知っていただけたことは大きな意味があったのではないかと思います。

引き続き、医療機関様などにおいて、多言語医療にまつわる課題解決を進めるべく、サービスを提供してまいります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また、病院EXPO東京で弊社ブースにお立ち寄り頂いた方々、ありがとうございました。


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著者情報

多言語医療ジャーナルPORT(ポルト)編集部

メディフォンは2014年1月のサービス開始以来、医療専門の遠隔通訳の事業者として業界をけん引してきました。厚生労働省、医療機関、消防などからのご利用で、現在の累計通訳実績は10万件を超えております。「多言語医療ジャーナルPORT(ポルト)」は、メディフォンがこれまでに培った知識・ノウハウをもとに、多言語医療に携わる方々のための情報を発信するメディアです。